パッケージ管理ツールryeの使い方
Pythonにはpipenvやpoetryなどのパッケージ管理ツールがありますが、今回はryeを利用します。 ryeはrustで書かれているパッケージ管理ツールで、pipenvやpoetryと比べて手軽にPythonのバージョンやパッケージ管理できるのが特徴です。 また、仮想環境として作成されるので、プロジェクト間でパッケージの衝突を気にする必要がありません。
インストール
ryeはhomebrewでインストールできます。
brew install rye
Linuxの場合は以下のコマンドでインストールします。
curl -sSf https://rye.astral.sh/get | bash
プロジェクトの初期化
プロジェクト名を入れて初期化します。
rye init <project_name>
既存のディレクトリに初期化したい場合は.
をプロジェクト名に指定します。
Pythonのバージョン指定
何も指定せずに実行した場合、Pythonのバージョンは基本的にcpythonの最新バージョンになります。 ライブラリの都合上特定のバージョンにしたい場合は以下のコマンドを実行します。
rye pin 3.10.12
このコマンドはcpythonのバージョンを指定するものです。
他のPyPyなどのバージョンを指定したい場合はpypy@3.10.12
と指定する必要があります。
自分の環境で利用できるバージョンは以下のコマンドで確認できます。
rye toolchain list --include-downloadable
パッケージの追加(更新)・削除
パッケージを追加するにはadd
コマンドを利用します。
パッケージ名は複数指定することができ、スペース区切りで指定します。
パッケージを更新する際も同様にadd
コマンドを利用します。
rye add <package_name> <package_name>
パッケージを追加するだけではインストールされないので、sync
コマンドを実行してインストールします。
rye sync
削除したい場合はremove
コマンドを利用します。
rye remove <package_name>
パッケージをグローバルにインストールしたい場合(例:フォーマッタやリンタ)install
コマンドを利用します。
rye install <package_name>
プログラムの実行
作成したPythonのプログラムはryeを利用して実行します。
rye run python main.py
タスクの登録
コマンドが長く何度も利用する場合はpyproject.toml
にタスクを登録することができます。
[tool.rye.scripts]
main = "python main.py"
登録したタスクは以下のコマンドで実行できます。
rye run main